※本記事の内容は、2025年9月28日時点の情報に基づいたものです。

資金を調達するには銀行融資しかない
そう思っていませんか?
この連載「借入だけじゃない!会社を強くする資本の話」では、借入以外の資金調達方法を活用して、会社をもっと強くするヒントをお伝えします。
最終回の今回は、「会社のステージ別『最適な資金調達』」について見ていきましょう。
会社のライフステージと最適な資金調達


会社の成長段階によって、必要なお金の性質や調達手段は変わります。
借入一本では対応しきれない局面も多いため、自社のステージに合わせて「最適な資金調達」を考えることが重要です。
売上が伸び、さらなる拡大を目指す段階では、人材や研究開発への投資が欠かせません。
ただし、これらはすぐに利益を生むとは限らないため、返済負担のある借入では重荷になりがちです。
この局面では、返済不要の資本(エクイティ)を活用することで、中長期的な挑戦に集中できます。
市場環境や事業の方向転換が必要な局面では、外部株主の販路やネットワークといったサポートが大きな力になります。
資金に加えて経営サポートを得ることで、新しい事業の立ち上げをスムーズに進めることができるようになるでしょう。
世代交代や事業承継を控える時期には、株式構成の整理やM&Aに備えた資本戦略が欠かせません。
後継者や親族だけでなく、外部株主を取り入れることで、承継の選択肢を広げ、会社の存続・発展につなげることができます。
このように、自社がどのステージにあるかを踏まえて資金調達の方法を選ぶことが、経営の安定と成長に直結します。
借入とエクイティの使い分けチェックリスト


資金調達を検討するときの目安を簡単に整理してみましょう。
- 短期的な運転資金や設備投資 → 借入が有効
- 収益化までに時間がかかる投資や挑戦 → エクイティを検討
- 経営や販路など、お金以外のサポートも必要 → 信頼できる出資者を検討
このようにシンプルな基準・選択肢を持っておくことで、「借入一本槍」から脱却しやすくなります。
資本戦略を考えるタイミング


資本戦略は「資金が足りなくなったら考えるもの」ではありません。
むしろ先手を打って検討することで、成長や承継のチャンスを逃さずに済みます。
たとえば、以下のような場面は資本戦略を見直す良いタイミングです。
・大きな設備投資や新規事業を控えているとき
・赤字や債務超過で銀行融資が難しくなりそうなとき
・後継者や事業承継の方針を考え始めたとき
ステージや環境の変化に合わせて柔軟に戦略を考えることが、会社を強くするカギになります。
会社の資本戦略は、経営のステージや環境によって柔軟に変えていく必要があります。
借入とエクイティの選択肢を知り、適切なタイミングで判断することが、会社を一段と強くする第一歩です。
とはいえ、資本戦略を経営者ひとりで決めるのは難しいもの。
まずは専門家に相談し、数字と将来像を一緒に整理することから始めてみませんか?