※本記事の内容は、2025年4月23日時点の情報に基づいたものです。
前回の記事では、経営者が「100億企業」をめざすきっかけを見てきました。
本日は、成長ポテンシャルのある経営者を後押しするアプローチについて、「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会」の報告書をベースに見ていきましょう。
報告書によると、成長のポテンシャルはあるものの、踏み出せていない経営者も多く存在するとされています。
こうした経営者が変革に向けて踏み出すために必要なアプローチとして挙げられているのは、以下の3つです。
1. 危機感をもってもらう/成長によるメリットを知ってもらう

現在の日本は、人口減少、サプライチェーンで協働して解決すべき様々な課題(GX、サイバーセキュリティ、経済安保など)の表出、「金利ある世界」への移行といった状況に置かれています。
経営者にこうした現状を正しく認識してもらう(危機感を持ってもらう)ことは、変革に向けた第一歩です。
また、成長することで、事業環境の好転が生じるとともに、世の中に影響を与えている実感や貢献できているという認識を持てるようになります。
経営者にこうした成長によるメリットを広く知ってもらうことも重要です。
経営者がこうした危機感や成長への期待感を培っていくためには、他の経営者の交流も有効とされています。
2. 成長することへの評価の向上

成長を目指す、実現する経営者が適切に評価されていないとの声もあります。
経営者が前向きに成長を目指せる環境を作るためには、「売上・利益を伸ばすことは素晴らしい」という社会的な機運を醸成していくことが必要です。
3. 代替わりも新しい挑戦へのきっかけ

事業承継による代替わりも新しい挑戦へのきっかけです。
東京商工リサーチ提供データによると、100億企業の経営者には創業者以外も多いとされています。
また、経営者年齢が若い企業ほど、新事業分野進出に取り組んだ企業の割合が高い、事業承継実施後の成長率は同業種平均値を上回るといったデータもあります。
このため、事業承継支援による経営者の若返りの推進も重要とされています。
今回は、成長ポテンシャルのある経営者を後押しするアプローチについてみてきました。
次回の記事では、「100億企業」の特徴を考えていきます。