※本記事の内容は、2025年12月08日時点の情報に基づいたものです。
※記事中の画像は、生成AIを用いて作成しています。
こんなに頑張っているのに、なぜ利益が出ないのか？
そう感じたことはありませんか？
この連載「頑張っても利益が出ない？“利益体質”をつくる経営の話」では、会社の数字を“儲ける力”の視点から見直し、利益を生み出し続ける経営のヒントをお伝えします。
これまでの連載では、「なぜ売上が増えても利益が残らないのか？」という構造から始まり、「限界利益」「限界利益率」「固定費の設計」と、一つひとつのピースを見てきました。
最終回の今回は、これらのピースをつなげて理解することをテーマに、利益体質をつくる全体設計を見ていきましょう。
利益の正体は「3つの要素の組み合わせ」
利益は、売上・変動費・固定費という3つの要素の「組み合わせ方」 で決まります。
どれか1つを改善しただけでは、短期的に良くなっても長続きしません。
利益が安定して残る会社は、
- どんな売上をつくるのか
- 変動費（売れた分だけ増える費用）をどう抑えるか
- 毎月必ずかかる固定費をどう設計するか
といった考え方を全体として整えながら利益構造をつくっています。
すべてのピースがうまくかみ合うことで、「売上の上下に一喜一憂する経営」からの脱却が可能となるのです。
「利益体質」の会社が大切にしている3つの視点
利益が安定して残る会社には、共通した「考え方（視点）」があります。
利益は、売上の大きさだけでは決まりません。
「どの売上が会社に貢献しているか」 を理解したうえで、売上構成そのものを整えていくことが重要です。
- 限界利益率の高い商品を伸ばす
- 採算の取れない案件を減らす
- 高採算顧客への活動を強化する
同じ売上でも、「何を売っているか」を変えるだけで利益は大きく変わります。
変動費改善は「一撃の大技」ではありません。
- ロス削減
- 工程の見直し
- 調達交渉
- ムダの削ぎ落とし
など、日々の積み上げが効く領域です。
こうした一つ一つの改善が積み重なることで限界利益率が上がり、同じ売上でも利益が残りやすい体質がつくられます。
固定費は削るだけでは不十分です。
利益体質の会社は、固定費を
- 削るべき固定費（＝コスト）
- 投資すべき固定費（＝未来の利益の源泉）
に分けています。
「削るべき固定費」を削り、「投資すべき固定費」に適切に資金を配分することで、事業の成長力が増し、将来の利益につながる基盤が整います。
そして、固定費の質が整うことで黒字ラインが下がり、経営にゆとりが生まれやすくなるのです。
利益は「売上の結果」ではありません。
売上・変動費・固定費の設計で決まる構造です。
この3つが整うと、会社は売上の波に強くなり、安定して利益を生み出しやすくなります。
この連載では、利益体質づくりの「全体像”」を一つ一つ紐解いてお伝えしてきました。
貴社の利益構造を見直すきっかけとしてお役立ていただければ幸いです。
「売上は伸びているのになかなか利益が出ない。。。」
「うちの収益構造、これでよいのかな？」
とお悩みは、ぜひ一度ご相談ください。
利益体質への改善の道を、貴社の状況にあわせて一緒に考えていきましょう。